プロパンの立体配座とエネルギーのダイアグラムを以下に示しました。
エタンのそれと非常によく似ています。
重なり配座でのエネルギーが、ねじれ配座のエネルギーよりも3.4kcal/mol高くなっており、エタンのそれが3.0 kcal/molであったことと比較して、若干山と谷の差が大きくなっています。
この点について考えて見ましょう。
まず、ねじれ配座におけるメチル基と水素のゴーシュでのファンデルワールス反発は無視できる程度に小さいとします。すると重なり配座で内部エネルギーが高くなっている理由は、二箇所の水素−水素反発と、一箇所のメチル基−水素反発となります。
エタンで求めた重なり配座における水素−水素の立体反発は、一箇所当たり1.0 kcal/molです。
プロパンの重なり配座では二箇所で水素−水素の立体反発がありますので、合計2.0 kcal/molの反発ということになります。従ってが重なり配座におけるメチル基と水素の反発ということになります。
従って、全体の反発が3.4 kcal/molであったことを考えると、
となります。
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